東洋学園大学 史料室

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2017年9月7日


来室:旧制東洋女子歯科医学専門学校指定後11回生・故安田(旧姓:本橋)きよ江先生ご遺族様。旧制東洋女子歯科医学専門学校指定後11回生(1936年卒)所蔵資料をご寄贈いただく(第2回)。


前月3・24日の続きです。安田公年先生、みよ子様ご夫妻が母上様の使われた歯科用器具、器械、材料及び本科・専攻科・得業士の証書3点と免許関係資料、概算55点をご寄贈下さいました。以下、一部ですが紹介します。

指定後11回生資料としては2015年の故山根(旧姓・斎藤)タマ先生資料の先例があります。併せてご参照下さい。


本科・専攻科・得業(東洋歯科医学士)の証書3点、免許証申請書類の控え、免許証と一連の資料が揃っています。証書はこれまでも事例を画像で紹介し、免許証の公開は控えますので、今回は免許証申請時の履歴書控えを紹介します(これも個人情報につき一部伏せています)。コピー機のない当時、当然ながら控えをとる場合は手書きで写しました。
きよ江先生のご尊父は主に外地(満州)で活動した教員だった由、哈爾賓(ハルビン)、内地(埼玉)、大石橋(ダーシーチャオ)、旅順と赴任地を移動し、東洋女子歯科医専を卒業して歯科医師免許を取得後、哈爾賓市赤十字病院歯科に勤務医として就職しました。
併せてきよ江先生ご夫君(満州医科大学卒)の医師免許証もお預かりしました。
技工に使う金などの材料や薬品を量るのに必需品だった天秤は、各時代のものが集まっています。安田きよ江先生の使用した器具は満州から引き揚げ後に揃えた戦後製ですが、セルロイドと思われる皿の素材からかなり古いものでしょう。分銅も一式揃っています。
金箔と金冠(クラウン)、開面金冠。
終戦後、進駐してきた米軍歯科医が当時の日本人に前歯金冠が多いのを見て驚いたといいます。
レジン床作製用のフラスコとレンチ。旧式と上下着脱を改善した新型、小型の3点。
鉄ちん(鉄床・鉄砧)と小型ハンマー。
平線咬合器。「やすだ」と彫られています。
材料の一つ、サンプラ(ニッケル合金)。
アマルガムキャリアとアマルガムウェル。
マトリックスリテーナーとマトリックスバンド。
鋳造用圧迫蓋。
未使用の各種陶歯。
ベルト式足踏みエンジンの交換用ベルト。
足踏みエンジンは歯科用の切削器具。戦前も電気式エンジン(モーター駆動)が普及していましたが、動力を要さない足踏み式も戦後しばらくまで使われました。現在はマイクロモーターやエアタービンです。
東洋女子歯科医専校章をあしらったデンタルカラー(鳩羽紫)のポーチと小銭入れ。ポーチは使い込まれています。旧制歯科医専同窓会の東洋紫苑会で作ったものです。
以前にも書きましたが、同校廃止(1950年)後は正確な校章の意匠が得られなくなり、やむなく印刷物からトレースした結果と思われますが、オリジナルからやや変化しています。
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