東洋学園大学 史料室

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2016年2月5日


旧制東洋女子歯科医学専門学校の留学生・外地出身学生について。


 戦前、女歯医専時代の本学では、留学生、外地出身学生が多数寄宿して学んでいました。留学生の出身国は中華民国(本土)、満州国、タイなど、外地は当時日本領だった樺太、朝鮮、台湾です(移住、殖民した日本人の子女は除く)。

 昨夏、学内より留学受け入れ状況を調べるよう依頼がありました。10年前の80年史編纂以来、各種名簿の収集が一定水準に達しており、留学生の実態調査は着手すべきことでしたので良い機会でした。

 調べると年を追って出身国・地域に明瞭な変化があり、世界情勢、送り出し先の国情、我が国の留学生受け入れ状況全般と一致するところが認められます。入学時、卒業時、卒業後の名簿が揃っている場合、入学前(出身地、出身校)、卒業直後(居住地、勤務状況)、その後(国際情勢が激変した戦後の状況)と、個人史をも追跡することができました。

 卒業生全体に占める留学生・外地出身学生のピークは1939~41(昭和14~16、太平洋戦争直前)年で、各年卒業生の14、13、15%、その入学期の1935~37年(日中戦争直前)では23、27、22%でした。留学生というひと括りの単位で、また個人単位でも、戦争が大きな影響を及ぼしたことが分かります。

 戦後、海外渡航(外貨持ち出し)の制限が緩和されると同窓会(東洋紫苑会)、クラス会、個人単位で、海外に住む元留学生、外地出身学生との交際が復活します。同窓会報や自分史からは、再会した旧友らが、歯科医師として社会的ステータスを得て、現地で存在感を示していた事例を多数見出すことができます。


 公式の資料(名簿、卒業アルバム)のほか、卒業生個人の記録、記憶のうち、既報については以下にリンクを張ります。

 調査結果は秋の学会(日本歯科医史学会)と当室の後期特集で公開する予定です。


 参考:
2014年10月9日
*写真上から二番目と三番目(タイ、満州国留学生)。
2014年10月14日
*写真上から二番目(中華民国留学生)。


『東洋学園八十年の歩み』(2007年)に掲載した指定後17回生・樋口民子先生の回顧に添えられたタイ国留学生、チヤルアイ・シリガヤさん(15回生)の写真。寄宿舎東寮で同室だったそうです。
外出すると大横丁通りで、一級下(18回生)の台湾出身学生、汪妙妙さんが大きな声で「次郎長親分」と呼ぶので困ったそうですが、1999年の台湾中部「921大地震」以後、音信不通になってしまいました。
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