東洋学園大学 史料室

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2012年6月25日

  • 日本歯科大学生命歯学部附属病院の患者さんが、ご母堂である東洋女歯卒業生の歯科医師(故人)が在学中から使用していたデンタルボックスを同大に託され、それを本学にご寄贈いただきました。日本歯科医史学会理事の屋代先生は故人母校の本学史料室が持つべきとお考えになられ、寄贈者との間をとり持って下さいました。
    ご寄贈は東洋女子歯科医学専門学校4回生:故日浦八枝子先生ご遺族の日浦祥剛様です。日浦八枝子先生は広島県のご出身、日露戦役中の1904(明治37)年に生まれ、明華女子歯科医専時代の1925(大正14)年入学、卒業は1929(昭和4)年の東洋女歯4回生、1975年に他界されています。
    デンタル・ボックスは東洋女子歯科医専が使用する器械、器具の大部分を一貫して購入していた合名会社中澤歯科器械製造社の製作です。W333×D242×H305㎜のサイズは1948(昭和23)年卒業生(23回生)からご寄贈いただいた既存品とまったく同じでした。敗戦前後の製造である後者と比べ、材質、構造ともに造作がはるかに良く、「15年戦争」以前の良き時代のものであることが外見からも一目瞭然です。
    在中100点以上に亘る歯科用器具・材料は昭和20~30年代製が大部分です(日浦先生が現役歯科医として脂の乗り切っていた頃と推測されます)。うち最古は米S.S.White社製パテント1916~1917年の刻印のある義歯見本です。
    日浦様より、同期のご友人に預けたままになっている卒業アルバムが残っているかもしれないという情報をいただき、さらに調査を進めました。結果は7月に報告します。

    天蓋を開き作業台を展開した状態。
    左の抽斗にTHE S.S.WHITEの刻印のある義歯見本が見えます。33番が脱落していますが義歯は失われていません。金属器具は大半が右抽斗のような状態で布、紙に包まれて腐食からある程度守られていました。この後、全て取り出して整理、記録していきます。
    印象材や麻酔注射液(ネピカイン)は戦後のものです。麻酔の函の中は義歯でした。アルコールランプを使用するのはかなり古い時代のことと聞くので、これも学生時代のものかもしれません。ガラス類を洗浄した後の撮影。
    使用されなくなってから40年以上経過していますが、全般的にコンディションは悪くないです。
  • 水川先生は母校、東京歯科大学史のほか、戦後占領期の歯科医学教育改革を体系的に研究、解明してこられた研究者です。昨年刊行された『近代歯科医学を拓く 東京歯科大学創立120周年記念誌』 (東京歯科大学創立120周年記念事業 記念誌編纂部会、2011年8月)にも関与され、付属CDには先生ご自身が解説する東歯の歴史が収録されています。
    本学の設置した旧制東洋高等学校と同じ経緯で設立された旧制福岡県立高等学校(母体:旧制福岡県立医学歯学専門学校、現九州歯科大学)の卒業50周年記念誌(2000年刊)の編纂は、水川先生のご研究が契機になったと伺っています。
    東洋高等学校についてまとめるにあたり、水川先生の先行研究を参考にさせていただき、冊子『最後の旧制高校 東洋高等学校』をお送りしたところ、あらためてこれまでご発表された特設旧制高校関係などの発表資料、抄録をお送り下さいました。併せて1948(昭和23)年の旧制東洋高等学校第2回「生徒募集」(新聞広告)など、貴重な資料も賜りました。
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