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2018年11月7日


来室・受贈:保坂義雄先生(柏たなか病院)より塩谷温編『槃澗餘香』(1932年)所収、槃澗学寮賛助会員揮毫実物211点八帖(1930~31年)。


『槃澗餘香』は東洋学園創立者・宇田尚が1930(昭和5)年に父の宇田廉平二十五周忌事業の一環として編纂した記念誌(刊行1932年)、編者の塩谷温は東京帝国大学文学部教授。書名は宇田廉平が明治初期に開いた栃木県鹿沼市上永野の滝ノ原宇田家邸宅、槃澗書屋(後に槃澗学寮、東洋学園栃木寮)」に因みます。


参考:槃澗学寮過去記事

直近2017年7月1日の記事から順に過去記事へリンクが繋がっています。槃澗学寮の成り立ちについては2013年10月15日及び2009年8月8~9日の記事が参考になると思います。


宇田廉平二十五周忌にあたり、宇田尚は槃澗書屋を増改築した上、東洋文化・学術研究の振興を図って研究者有志に開放し、槃澗学寮と改めました。この際に募った槃澗学寮賛助会の会員は宇田尚自身の人脈と、明治20年代に旧制一高(第一高等中学校→第一高等学校)及び陸軍幼年学校で宇田廉平教授の薫陶を受け、政界・官界・軍部・財界・教育界で枢要を担った三百余名で構成されました。

賛助会員の揮毫を集め、印刷製本したものが『槃澗餘香』です。保坂先生が買い戻して下さったのは揮毫の原書211点、一帖に22~30点が収められています。


10月24日、東郷平八郎義歯研究の会席上、大野粛英先生から、追って九州歯科大学名誉教授・竹原直道先生からも揮毫の原書が古書市場に出たことを伺いました。流失の経緯は宇田家でも不明です。予算の関係で入手をためらったところ、保坂先生が購入されて本学にご寄贈下さいました。


この後、11月23日(金・祝)に予定される公益財団法人斯文会平成30年度神農祭講演「神農廟造営と東洋学園創立者・宇田尚」(リンク→今月23日記事)の講演原稿を準備中、核心部分である槃澗学寮と学寮賛助会員資料が多数出た偶然と、歴史調査の過程でこのような偶然が少なからず起きることに、二重に驚いています。

保坂義雄先生にあらためて衷心から御礼申し上げます。


非常に重いものです。保坂先生が自らお届け下さいました。
『槃澗餘香』
『槃澗餘香』巻末掲載、槃澗学寮賛助会員(の一部)。新渡戸稲造、徳川家達、徳富猪一郎(蘇峰)、尾崎行雄らの名が見えます。
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