東洋学園大学 史料室

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2018年11月1日


来室・受贈:旧制東洋女子歯科医学専門学校指定後11回生・故安田きよ江先生ご遺族、安田公年先生ご夫妻。安田公年著『満州と日本の狭間で国策に翻弄されて 本橋・安田家の満州からの引き揚げの記録』をご恵贈いただく。


参考(これまでの経緯):2017年9月7日


上記(からリンクする同年8月3・24日記事)の通り、安田先生は次世代のための家族史を執筆されており、本年夏に刊行されました。本文600ページの大部です。

書名にある本橋家は安田先生の母上で本学(東洋女子歯科医専)を1936(昭和11)年に卒業したきよ江先生の旧姓、つまり母方、安田家は医師だった父方です。両家のルーツとご両親の生涯、著者安田先生のご経験を核として、前段には日本の大陸経営と敗戦による引き揚げの全般的状況、後には歴史を辿る旅とも言える実地調査、資料調査の経緯が配され、若い方の理解を深めるための配慮、工夫が凝らされています。

敗戦によって混乱を極めた旧満州で、きよ江先生は夫の遺骨と小さな我が子二人を抱え、幾多の困難を排して帰国を果たし、身につけた歯科医学で一族の繁栄と地域の福利厚生の基礎を築いていく、その事実の積み重ねが克明に記されています。

本書では提供した当室所蔵資料も多数、活用していただきました。


引き揚げ者が乗船中の信濃丸を写した写真が印象的な表紙。ご一家も同船で帰国しました。
日露戦争の日本海海戦でロシア海軍バルチック艦隊発見の第一報を発した信濃丸は、第二次世界大戦をも生き延びた強運の船です。戦後は引き揚げ船として多数の邦人を母国に運びました。
1989(平成元)年、『家庭画報』に掲載された現役時代のきよ江先生とご一家。本書も併せてご寄贈いただきました。
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