東洋学園大学 史料室

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2018年5月17日


来室:旧制東洋女子歯科医学専門学校指定後第1回生・故石川(旧姓:鈴木)ちか子様ご遺族。指定後1回生(1926年11月卒)卒業アルバムの発見について。


1926(大正15)年、東洋女子歯科医専公式創立年に卒業した指定後第1回生とは、明華女子歯科医専(←歯科医学校←講習所)通算第6回卒業生です(卒業前月まで明華の学生)。指定後第1回生は文部大臣指定認可遅延を巡り同校理事長兼校長・香山明(1883~1969)の責任を追及し、文部省(文部省歯科医師試験付属病院=現 東京医科歯科大学)、父兄会と共に旧経営陣を追放、東洋学園「創立」に多大な影響を及ぼしました。

2015年6月5日をはじめ、これまでお会いした同期卒業生ご遺族(3ケース)に現存しなかった卒業アルバムが本日、発見されました。


ご持参下さったのは指定後第1回生・故石川(旧姓:鈴木)ちか子様のご遺族、小田切保枝様とそのご家族様です。故人は愛知県知多郡半田町の出身で、ご実家は明治期に検定(医術開業歯科試験)で歯科医師となったご尊父が営む歯科医院、ご夫君は東京医学専門学校(現 東京医科大学)を卒業した医師でした。

卒業後間もなく結婚して家庭を築かれましたが1938(昭和13)年に早逝し、以後、遺品は夫君、次いで尾張旭市で医業を継がれたご長男によって保存されました。そのご長男も昨年(2017年)に他界され、本アルバムは妹の小田切様に引き取られました。ご家族のリレーによって90年以上残して下さったものです。


書名は『大正拾四年度 卒業記念 東洋女子歯科医学専門学校卒業生一同』、奥付の発行年は1927(昭和2)年2月。アルバムには明記されていませんが、実際の卒業は1926(大正15)年11月5日、指定認可の翌日です。なぜ大正14年度卒の発行が昭和2年なのか、また、内容を見ると理事長(校主)、校長の写真はありますが氏名が明記されていません。ご家族は長い間、これらの謎を解決する術を持ち得ませんでした。

ページを繰れば改革に伴う痛みを今に伝える、貴重な資料です。6月現在はお借りして各種複製を作成中、今後、慎重に公開していきたいと思います。


東洋女子歯科医専指定後第1回生ですが、表紙装丁は明華女子歯科医専の校章「花ノ輪郭ニ日月及(歯)ノ字」(1918年、明華女子歯科医学校認可時の制定)です。日月は明、花は華、つまり明華。明は学校設立者・香山明の名から採ったものでしょう。
この直後、新校名の英文略称TDCを図案化した新校章を制定し、この校章は廃止されます。
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