東洋学園大学 史料室

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2014年11月5日


往訪: (株)ヨコシネ ディーアイエー(渋谷区)。1964年オリンピック東京大会資料「オリンピック広報映画」(8㎜4巻)の修復依頼。


 現在公開中の後期特集展「学長・文相 愛知揆一 1964年オリンピック東京大会資料」では、パネル、図録で映像、音声資料も紹介しています。いずれもTACベースの加水分解が進行して甚だしい酢酸臭(ビネガーシンドローム)が発生しており、現物は公開できません。史料室設置以前に長期間、空調、換気装置のない地下倉庫で保存していたことが原因と考えられます。自校史に直接関わる資料でないため、対策が後手に回りました。

 本年5月から愛知学長旧蔵資料の公開準備を始め、5月9日にフィルム、テープの修復をNHKアーカイブズに相談し、ヨコシネ ディーアイエーを紹介していただきました。「オリンピック広報映画」のタイトルを付した8㎜×120mフィルム4巻を分けて納めるプラスチックケースには、「横浜シネマ現像所」と記したシールが剥落しながらも残っています。これがヨコシネ ディーアイエーの旧社名でした。50年を経て、制作で関わった会社に修復を依頼することになります。

 展示公開が始まって一段落し、温湿度が低下した11月、同フィルムと「東京オリンピックNHK実況録音集」(径85mmオープンリール9.5cm/sec.×6本、3分冊)を同社に持ち込みました。後者は市販品ですがVol.1の解説書に文部大臣愛知揆一の巻頭言があり、これもできれば修復したいと思います。


 今後は劣化の度合いと要する経費を勘案しながら作業を進める予定です。まず、テレシネ作業によってDVD化し、映画の内容を確認します。内容と修復の程度、今後の保存環境などを総合的に判断し、場合によっては部外に寄贈、寄託する、あるいは廃棄することも視野に含めています。


手書きで「オリンピック広報映画」とタイトルのある8㎜映画フィルム。手前にYOKOHAMA CINEMA(横浜シネマ現像所)のシールが剥落しています。
12月8日現在、4巻中R1~3は修復しないとテレシネ作業ができないと判断されています。写真のようにフィルムの硬化が進行しています。
R4のみDVDになって再生したところ、マラソン、閉会式を通じて放送にかかわるNHKの仕事ぶりを紹介する内容で、最後に「制作:NHK広報室」のクレジットがありました。
「東京オリンピックNHK実況録音集」
カセットテープが普及する以前のオープンリールテープ。ご覧の通り、こちらもテープが硬化して酷い酢酸臭です。
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