東洋学園大学 史料室

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2015年2月17日


旧制東洋女子歯科医学専門学校指定後10回生(1935年卒)卒業アルバムを受贈。


 本学の大橋洋介企画開発本部長を通じ、塚本恵三様より旧制東洋女子歯科医学専門学校指定後10回生、故・塚本積子先生所蔵の卒業アルバム『昭和十年度卒業記念帖 あゆみ』(1935年10月)をご恵贈いただきました。

 塚本積子先生は卒業後、神田神保町で開業して長くご活躍されたとのことでした。本アルバムの編集委員でもあります。

 既存の同年度アルバムでは失われていた表紙(革製)が残っていたほか、全般に保存状態は極めて良好です。皮革は洋紙より劣化の進行が早く、既存の収集資料ではうかつに触れない状態まで劣化したものもあり、このコンディションをぜひ維持したいと思います。


 編集後記によれば、本アルバムは学校案内として海外にも送られたということです。往時の東洋女子歯科医専では外地(日本領樺太・千島、朝鮮、台湾)は勿論のこと、満州国、中華民国(中国本土)、シャム(タイ)、蘭領ジャワ(インドネシア)から、恒常的に多数の留学生を受け入れていました。

 また、卒業生はイギリス本国及び英領海峡植民地(現 シンガポール、マレーシア)、メキシコ、中華民国、満州国では無試験開業、アメリカの歯科大学に留学する際は最上級学年に編入の資格がありました。

 国際的な交渉においては「学校一覧」「学則」のような実用書より、卒業アルバムが贈呈品として選ばれたのでしょう。

 長年の保存とご寄贈にあらためて感謝いたします。


 参考:月報2009年8月27日


※2009年既報記事写真3、同アルバム校歌「戦前の校舎にあった時鐘装置の鮮明な写真」について。

 これは現代で言う「イメージ写真」の可能性が高いようです。シンプルな鐘一つの写真は他年度も含め多数の掲載例がある一方、この写真は本アルバムにしかありません。


革表紙、金箔押し、技法は分かりませんが校章(TDC)は浮き出しており、豪華な装丁です。書名が「あゆみ」であることも分かりました。2595は皇紀。
編集後記。写真左端が塚本積子先生。
編集子は「理想は高く現実は惨めだ。(略)夢に描いた美麗な装幀、豊富な内容は何処へ失せたのだ」と嘆いています。昨年10月に来室調査された他大学のアーカイブズ担当者によれば、同時代の他校アルバムと比較し、
1)医歯学系として、器具・器械、実習風景など一般にない写真が多数
2)女子校として、行事やプライベート写真は男子校に比べ華やか
3)装丁は極めて高級
という感想をいただいています。
(本画像と次はマイクロフィルム用モノクロ撮影)
こちらが実際の時鐘と思われます。
「夢のように過ぎた5年の朝夕に聞き慣れた鐘だが、蕭条とした秋の夕暮に目を伏せて聞き入れば、幸あれかしと哀切な別れの音色を奏でている」
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