東洋学園大学 史料室

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2015年8月24日


来室:東洋女子歯科厚生学校卒業生並びにご家族様。数少ない同校卒業生本人かつ国費生として初の接触。


 現在、展示公開中の東洋女子歯科厚生学校については、本学が所蔵する認可申請書類など文書資料の隙間を補うため、多くの方のご協力を得ました。ただ、健康上の理由などにより、19名の卒業生には一人もお会いできませんでした。

 歯科衛生士は当初、国費による養成とされましたが、東洋女子歯科厚生学校は私学として国の事業を受託する傍ら、経営上、私費生も募集しました。展示並びに解説書では、新聞広告を見て歯科衛生士が新時代に相応しい職業と感じて入学し、後に日本歯科衛生士会の設立に尽力し、同会の第三代会長を務めた豊田(旧姓・相馬)幸子様を紹介しました。意気込んで入学式に出向いたところ入学生はたった3人、先生方の方が沢山いたというエピソードも併せて紹介しました。歯科衛生士の制度発足直後であり、社会に認知されていなかったことを示すものです。

(*入学式のエピソードは榊原悠紀田郎先生『歯科衛生士史記』、公益社団法人日本歯科衛生士会『歯科衛生士のあゆみ ―日本歯科衛生士会60年史』に掲載されています)


 展示解説書を東洋女子歯科医学専門学校の各期卒業生代表者の方へ献呈したところ、22回生(1947年卒)の落合埼先生から、19名の集合写真にご親族が二人写っているとの情報がもたらされました。新しくできる衛生士学校の生徒募集にあたり、人的繋がりにも頼った具体例です。こうして後から4名の私費生が加わりました。

 残念ながらお一人は既に他界され、いまお一方も入院中とのことでした。追って7月27日にご闘病の甲斐なくご他界された由、通信があり、衛生士の卒業生にはどうしても会うことができないように思っていたところ、本日、同校卒業生の田丸(旧姓・古作)百代様がご家族に伴われてご来室になりました。

 田丸様は7月に亡くなった卒業生のご友人としてお悔やみのため上京され、故人の夫君から当室展示の情報を得たとのこと、めぐり巡ってようやく卒業生本人にたどり着きました。お話を伺って大変興味深かったことは、12名の国費生のお一人という点でした。ご家族の方を通じた証言や既刊書の記録は全て私費生によるものでしたが、初めて国費生のご証言を得ることができました。

 展示をご覧いただきながら、入学の経緯、在校中、卒業後のことについて、貴重なお話を伺わせていただき、記録しました。この記録は今後の同校に関する発表に反映したいと思います。田丸様、ご家族様に御礼申し上げます。


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