東洋学園大学 史料室

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2014年3月13日


来室:建築美術家でフェニックス・モザイクのデザイン・制作指導を行った今井兼次(1895~1987)のご親族、今井博様ご夫妻。


 昨2013年10月初旬、姫路市の今井博様からメールをいただきました。今井兼次先生とその建築作品について、日頃よりご教示、示唆をいただいているご子息今井兼介様のお名前を当室月報で誤って表示し、同音異字の今井博様ご子息のお名前となっていることについてのご指摘でした。今井博様と今井兼介様は従兄弟のご関係です。

 このようにご迷惑をおかけしてしまったのがきっかけでしたが、その後もメールの往復が継続し、今般ご夫妻で上京の折、本学にお迎えすることになりました。本学の後は皇居桃華楽堂(宮内庁楽部・香淳皇后還暦記念音楽堂/日本芸術院賞、BCS賞)、翌日は千葉県大多喜町役場旧庁舎(日本建築学会賞〔作品賞〕、BCS賞、ユネスコ:2013年ユネスコ文化遺産保全のためのアジア太平洋遺産賞〔功績賞〕)へと、フェニックス・モザイクを辿る旅の途次です。

 当日はあいにくの空模様でしたが、1号館西壁のフェニックス・モザイク「岩間がくれの菫花」と、史料室で解体した4作品の断片及び作品の解説パネルをご観覧いただきました。

 ご夫妻にとって心に残る旅になればと願い、ご案内させていただきました。

 姫路にお帰りになった後、大阪・船場にある本町ビルディング屋上のフェニックス・モザイク「糸車の幻想」に関する写真と資料をご恵贈下さいました。同作品は一般非公開の商業ビル屋上にあり、フェニックス・モザイクでは最も情報の乏しい作品ですが、近年はメディアにもとり上げられて再発見されつつあります。今井様はそうした関西の動向を今井兼介様(→今井兼次共同研究会)に伝え、自ら撮影もされたので、当室担当も初めて作品の全貌に触れることができました。

 さらに後日譚があり、その直後に刊行された『TILES タイルの本』75号(2014年3月号)の表紙及び本文で本町ビルのフェニックス・モザイクがとり上げられました。


 タイルの本編集室ブログ『TILES タイルの本』2014年3月号

 酒井一光(大阪歴史博物館) 新タイル建築探訪71「本町ビルディング フェニックス・モザイク『糸車の幻想』 今井兼次により再生された陶片とタイル」


 本町ビル関連資料、写真ご恵贈のお礼とともに、このことをさっそく姫路にお知らせしました。


 参考:本学フェニックス・モザイク


今井博様ご夫妻。フェニックス・モザイク「岩間がくれの菫花」直下、文京区・文の京都市景観賞「景観創造賞」(金地)と本学による解説(ステンレス)の各プレート前で。
壱岐坂通りに面して壁画右下にプレートがあります。上の写真と対比すれば、作品のスケールをお分かりいただけると思います。
『TILES タイルの本』75号(2014年3月号)表紙。本町ビルのフェニックス・モザイク「糸車の幻想」は本学「岩間がくれの菫花」などと同じ年、1961(昭和36)年の制作です。
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